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ウンブリアジャズフェスティバル オルヴィエートはジャズと芸術とアンダーグラウンドの街だった

今日はオルヴィエートの魅力と
ウンブリアジャズフェスティバルの冬の開催地である”ウンブリアジャズフェスティバル オルビエート”の様子を、さらに詳しくお伝えしたいと思います。

オルヴィエートはイタリアのウンブリア州にある丘の上の街です。かつては教皇の隠れ家としても栄えた街で、「世界一美しい丘上都市」とも呼ばれていて、ヨーロッパでは有名な観光地だそうです。
また天空の城ラピュタのモデルともいわれる「死にゆく街チヴィタ」や、その他周辺の街を巡る際の拠点として利用する人も多いようです。

(チヴィタの正式名称はチヴィタ・ディ・バーニョレージョ。2500年以上前にエトルリア人によってつくられた街で、台地辺縁部の崩落によって、その上の建物が崩れる危機に常にさらされていることから、死にゆく街と呼ばれています。いつか行ってみたいですね〜)

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オルヴィエートは鉄道の便もよく、ローマからだと急行で約1時間、フィレンツェからだと2時間で訪れることができるので、主要都市に滞在型の旅行をしている人も、十分日帰りで楽しめます。ちなみにトレンイタリア(イタリアの国鉄)で列車の運賃を検索したところ、ローマからだと片道7.8ユーロ、フィレンツェからでも16.1ユーロでした。

さてオルヴィエートには、一昨年の年末、ウンブリアジャズフェスティバルの冬版である”ウンブリアジャズフェスティバル オルビエート”を楽しむために訪れました。

ちなみにウンブリアジャズフェスティバルの夏版は、ペルージャで開催されていて、とても大きな規模のジャズフェスティバルです。今年のヘッドライナーはクラフトワーク!!最近のジャズフェスティバルではジャンルにとらわれないラインナップも魅力です。

ただ「オルヴィエートに行こう」と決めたのは夏ごろだったので、ジャズ・フェスティバルの期間中、丘の上のホテルはすでにほぼ満室、残っているのは、評価が今ひとつなところばかり・・・

しかし丘の中腹に1軒、とっても感じの良いお宿があったのです。宿の名前は「Podere Sette Piagge」。ホテルではなくカントリーハウスです。宿泊費も一人45ユーロととってもお得。

ジャズフェスティバルを楽しんだ後、美味しいワインと食事でライブの余韻を楽しみたい私たちは、帰りにバスが無くなることは、火を見るよりも明らか。
でもカントリーハウスの口コミに「オルヴィエートの旧市街には、崖を登れば徒歩でも行けます」と書いてあるのを見つけました。
崖・・? でもそこを登った人がいるなら行けないことはないだろう、と腹をくくり、予約ボタンをポチッとしました。

オルヴィエートの駅に着くと、あらかじめネットでお願いしていたので、いかにもイタリアのパパといったおおらかな感じのご主人が車で迎えにきてくれました。

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(丘?崖?の上にオルヴィエートの旧市街が広がっています)

着いたお宿はとても素敵!知り合いの家に遊びにきたような素朴さが、心をくすぐります。まさにカントリーハウスなんです。お部屋は広々としていて、可愛い家具にも感激でした。

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さて、ここからがいよいよ本丸、オルヴィエートの旧市街に向かいます。帰りはタクシーのつもりだけど、もしかしたら徒歩になることも考えて、道を確認するため、行きも歩いて登ります。道はカントリーハウスの裏山を登る一本道です。最悪手を使わないと登れない崖も覚悟していただけに、普通の山道でちょっとホッとしました。

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(帰りはタクシーもすでになく、真っ暗な山道をスマホの明かりだけを頼りに帰りました。あまりにも真っ暗でほろ酔い気分が覚めました。)

オルヴィエートの旧市街には、ほとんどの人が駅前からフニクラに乗って登ってくると思うのですが、徒歩で登った私たちには、こんな素敵な景色がお出迎えしてくれました。

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オルヴィエートの中心部には、オルヴィエート大聖堂があります。14世紀中ごろにゴシック様式で作られたこの大聖堂は、その後300人以上の建築家、彫刻家、画家が建築や装飾に携わり、ファサード(正面外壁)が完成したのは、なんと1600年。着工から完成まで300年以上。サグラダ・ファミリア並みではないですか!

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このファサードがもう美しすぎて、本当に感動してしまいました。

(旧約聖書、新約聖書の場面がモザイク画や彫刻で描かれています)

訪れたのは冬の夕方だったので、もう教会の下の方は暗くなっていますが、上半分は夕日に輝いています。ファサードのモザイク画は、金箔をガラスに貼り付けた技法が使われているそうで、写真を通してもその美しさがわかるのではないでしょうか。

おそらくこの大聖堂の存在が、世界でもっとも美しい丘上都市といわれる所以なのだと思います。

その後街をぶらぶらし(街並みも美しいんです)、夜の部の当日券の発売時刻が近づいてきたので、中心部に開設されたチケットセンターに向かいました。

(売り切れのステージもあったので、皆さんにはネットであらかじめ買っておくことをお勧めします)

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整理券をもらって、呼ばれた順番にチケットを購入。悩んだ末、「ブラジル」と「パンデイロ」の文字に惹かれて、「ANAT COHEN BRAZILIAN QUARTET feat. VITOR GONÇALVES, NANDO DUARTE, SERGINHO」というグループのライブを見に行くことにしました。ライブ会場は「ポポロ宮殿」。宮殿で聴くジャズライブです。

オルヴィエートジャズのものではないですが、youtubeに彼女たちの演奏の動画があったので貼り付けておきますね。

後から確認したら、同じ時間に別の会場で演奏していたこっちの方が私の好みだったかもと、ちょっと後悔。やはり直観よりも検索ですかね。

「CHIARA CIVELLO/NICOLA CONTE COMBO」

オルヴィエートジャズのもう一つのお楽しみは、Funkoffというバンドの1日2回のフリーストリートライブ。ちょいワルおやじのファンクバンドです。

この動画は、オリヴィエートでの演奏の様子ですね。かっこい〜!!

リーダーはバリトンサックス(渋い!!)のDARIO。彼が作曲と編曲を担当していますが、スマートな真のイタリアちょいワルおやじです。

私は1泊2日の滞在でオルビエートに滞在し、おまけに観光も楽しんだので、ステージライブは1つしか見れませんでしたが、ジャズフェスティバルは、昼頃から1日10数ステージ開催されていました。

昼のステージならローマからの日帰りでも楽しめますね。

どうでしたか?

私にとって、憧れの存在だった海外のジャズフェスティバルが、とっても身近な存在に思えた体験でした。それと、世界3大ジャズフェスティバル以外にも、いろんなジャズフェスティバルが世界中で開催されていることを知れたのは大きな収穫でした。

それ以来、旅程を組むときには、音楽祭や芸術祭は必ずチェックするようにしているんですよ。(この夏はオランジュ音楽祭でオペラ鑑賞に初挑戦です)

最後に。私はオルヴィエートには宿題を残しています。

実はオルヴィエートのもう一つの顔「地下洞窟」にまだ行ってないのです。迷路のように張り巡らされた地下都市は、なんと地上の2倍の広さもあるらしいのです。

音楽に芸術にグルメにアンダーグラウンド。 オルヴィエートは、本当に大好きな街です!!