日本酒愛について語る

日本酒が好き これから自信を持っておススメの日本酒を紹介していくけど、まずは私の日本酒遍歴を紹介します。

こんにちは、しーちゃんです。

上の写真は、今年、我が家がお正月に飲んだ日本酒の数々です。(もちろんお客さんも一緒にね)

まだ入っているものもあれば、すでに空っぽの瓶も。

並べてみると、それぞれの美味しさが蘇り、かなり幸せな気分になれたので、思わずパチリと撮ってしまいました。

ということで、今日は旅の話ではなく、私の日本酒遍歴について語りたい!と思います。  (かなり自己満足感満載の内容になる予定です)

美味しい日本酒の出会いは東日本大震災だった

ちょっと意外に思われるかもしれませんが、私に、それまでとは別次元の日本酒の美味しさを教えてくれたのは、震災後の福島の酒店でした。

もちろん、それよりずっと前から日本酒を楽しむ習慣はありました。

例えば「久保○」や「越乃○梅」あたりのお酒を、ネームバリューもあり、素直に美味しいと感じていました。(もちろん今でも美味しいですよ)

また当時も、さらにうまい日本酒を人からいただくことはあったのですが、入手困難だとか、値段が高いとか・・・

昔、たまたま違う方から2回貰ったことがあったのが、この「空」。美味しかったな〜。

f:id:zoochan:20180220174552j:image

「空」関谷醸造ホームページより

そんなこんなで、私の中では「本当にうまい日本酒は特別なもの」という定義が出来上がってしまっていたのです。

そんな時、震災後の支援のために、出張で福島に行く機会がありました。たまたまホテル近くにいい感じの酒屋があり、自宅のお土産用に、福島の日本酒を買って帰ろうと思い立ちました。

当時は、みんなが放射能の影響にナーバスになっていた時期で、私が「福島のお酒ではどれがおすすめですか」と尋ねると、「気になりませんか?」とお店の方から尋ねられました。

こんな言葉を自ら発しないとダメだったなんて、当時の福島の皆さんの気持ちを察するに余りありますね。

そしてその時、店主に勧められた2本の4合瓶(720ml)の日本酒が、その後の私の日本酒感を大きく変えることになったのです。そのうちの1本は、奈良萬の純米酒でした。(名前は奈良ですが、れっきとした福島のお酒です)

f:id:zoochan:20180220180222j:image

「奈良萬 ひやおろし」夢心酒造ホームページより 

それまでの「銘柄酒は高い」という私の固定観念を打ち破るリーズナブルな価格。その上、純米酒と思えないふくよかな味わい。

私のこれまでの日本酒のイメージと全然違う!!

「もしかしたら、日本中に私の知らないうまい酒があるの?」そんな考えが私の脳裏をよぎりました。

私に日本酒のイロハを教えてくれた恩師との出会い

手頃な価格で、うまい日本酒が飲めることを知ってしまった私は、もう酒量販店のお酒では満足できなくなっていました。

そんな私に、気になる存在として浮かび上がってきたのが、当時の勤務先への道中、渋い看板を掲げていた1軒のお酒屋さんです。

ある日の仕事の帰り道、思い切って酒店に入り、「日本酒のことはなにもわかりませんが、美味しい日本酒を教えてください!」と店のご主人に声をかけました。

よく見ると、店内には想像を遥かに超える種類の日本酒が並んでいました。偶然にも、その店がただの酒屋ではなかったことを知ったのは、後になってからでした。

夜の7時過ぎ、他のお客さんもいない時間帯です。その日は、お猪口になみなみと3杯、日本酒を飲ませてもらいました。そして一番気に入った1本の4合瓶(720ml)を買って帰りました。

その時買ったのは「写楽」。くせのない中に、純米酒ながらしっかり味わいがある、我が家の定番の一つ。

f:id:zoochan:20180220183541j:image

「写楽」宮泉銘醸ホームページより 

当時私は、非常勤のかけもちで、複数の職場で働いていたのですが、例の酒屋の近くで働く木曜日は、ちょくちょく仕事の帰りに立ち寄るようになりました。その度に、きまってなみなみ3杯の試飲させてもらい、私の素人丸出しの質問に、店のご主人が日本酒のあれこれを教えてくれました。

「息子が勉強をしてね。全国の良い酒を作ってる酒蔵の日本酒を仕入れてるんだよ。今は、息子と同世代の若い杜氏さんがどんどん出てきて、安くてもうまい酒を作るんだ。純米酒でも昔の吟醸酒以上の味を出しているから、高い酒を買わなくてもいいよ。」

こうしてほろ酔い気分で、毎回、4合瓶1本を買って帰る日々が2年ほど続きました。

日本酒選びが、月に一度の楽しみに

そのうち勤務先も変わり、酒屋には週末を利用して、夫と2人出かけるようになりました。なみなみ3杯の試飲も2人分となり、ありがたいやら、申し訳ないやら。その頃から、買うのは決まって一升瓶(1800ml)を3本。値段の平均は1本3,000円ほど。これは今も変わりません。純米酒や吟醸酒、今や知識があれば、うまい大吟醸でさえ、3,000円プラス数百円の値段で買える時代になりましたね。

お店はというと、日本酒ブームになる前から酒蔵さんとの信頼関係があり、雑誌やテレビで紹介されるようなお酒も、その店に行けば買えるということで、ちょっとした有名店になっていきました。

そのうち、お店は立派に建て替えられ、でも相変わらず私たちが行くと、ご主人は酒瓶とお猪口を持って現れ、試飲3杯をずっと続けてくれました。

しかしちょっと気まずい思いもするように。なぜなら、これまで一度も、他の人が試飲をさせてもらっているのを見たことがなかったからです。

(ありがたいけどちょっと気まずい、けどやっぱりありがたい!感謝)

いよいよ独り立ちの時がやって来たのかな

毎月いろんなお酒を試飲させてもらったり、その度に全国各地のお酒を買ううちに、いつの間にか日本酒に詳しくなっていた私と夫、ついでに娘も。

我が家の冷蔵庫はいつもこんな感じ。美味しい日本酒、冷えてますよ〜。

f:id:zoochan:20180221194017j:image

お店はますます繁盛し、遠くからわざわざ買いに来た人で溢れ、レジにはいつも誰かが並ぶ状態に。店員さんもどんどん増え、私達のための個人レッスンもいつしか終わりを迎えました。

さて、いよいよ独り立ちです。7年間いろんな日本酒を飲み続けてきたおかげで、酒の銘柄や特徴にも詳しくなってきました。日本酒の素晴らしいところの一つは、いつもの馴染みの酒も、季節ごとに変わったり、限定酒が出たりで、春夏秋冬毎に新鮮な喜びを与えてくれるところです。毎回お店に行くと、飲みたい日本酒ばかりで、選ぶのに一苦労ですが、自分たちで選ぶ実力もついてきました。

もちろん旅先での日本酒の楽しみ方も変わりました。その土地で馴染みの酒を飲む嬉しさや、新しい酒に出会う喜びができました。

今まで、お店やご主人、数々の日本酒たちにお世話になった分、これからは私が、少しずつ日本酒の美味しさや、楽しみ方を、微力ながらも伝えられたら良いなーと思うのです。

そんなわけで、これからは日本酒についてのあれこれも少しずつ書かせてもらいますね。どうぞよろしく。